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> 魚の国ニッポンを釣る!
今回の釣りは、はたして一日に何魚種釣れるのか、手当たり次第に釣ってみる≠ニいうのがテーマ。ということでウエカツは、神奈川県・平塚漁港の船宿『庄三郎丸』にやってきた。相模湾の沖釣り船の草分け的存在であるこの船宿が、周年行なっている人気の釣り「ライトウイリー」。
ウエカツを微笑ませた相模湾。確かに漁場として豊かな海だ。しかし、この海を、より沢山の人に楽しんでもらいたいと願い、いつ、どこに行けば、どんな魚が、どうすれば釣れるのかをピンポイントで日々研究し続けている漁師たちの努力があってこそ、このような釣りは成り立っているのである。
干物用に使う網台に並べると、15魚種もあるではないか。上モノと底モノどころじゃない。船をあちらこちらと移動させ、砂底や磯場も巡ったようだ。周辺海域を知り尽くす、船頭ならではの遊ばせ方が釣果に表れている。釣り人の性格さえも、見抜いていたに違いない。
イシダイやイシガキダイの、皮の旨さを知る者は、食いしん坊の釣り人だ。細かなウロコを落とした皮を湯引き、酢味噌を添えたヌタは、酒の肴にたまらない。釣果を見たとたんに手が伸びたが、U氏に先を越されてしまった。彼は、どう料理するのか…読者もとくとご覧あれ。
ヒラソウダの『漬け丼』は、私が生涯携わるようになった、魚料理の原点でもある。技巧に走るのではなく、魚の持つ個性を、あるがままに皿に盛らなくてはいけないのだ。魚を食べる喜びは、そこから始まる。
上田勝彦
うえだかつひこ
1964年、島根県出雲市生まれ。長崎大学水産学部在学中より、長崎県野母崎の漁船に乗り始め、各地を行脚する。平成3年に水産庁入庁。南氷洋の調査捕鯨や太平洋のマグロ漁場開発、日本海の資源復興プロジェクトなどを経て、現在は、加工流通課、魚食普及・水産物広報担当官。著書に『目からウロコの魚料理』(東京書籍刊)がある。
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