網に納まったウマヅラハギに、釣れまくるシイラ。ウエカツのイナダとカンパチのキャラクター講義に始まり、プックリ膨らんでいるのは、でましたサバフグです!
納竿間際となり、船は再び平塚沖へと戻った。すると小堀がひときわ強烈な引きの魚をかける。水面に上がったのは、白黒のストライプが鮮やかなイシダイだ。
磯釣りの対象魚としても人気の高いこの魚が、ウエカツの狩猟本能にさらなる火を着けた。
「イシダイは、どのくらい待つのがいいのかね?」「2秒くらいです」「了解!」
小堀のアドバイスに従ったウエカツは、すぐさま自分もイシダイを釣り上げる。さらにウエカツはイシダイを狙い続け、わずかな時間で4枚を釣り上げることに成功した。港に戻ったウエカツの顔は充足感に満ちていた。
「初めてやったけど、ウイリーっていう釣りはいいねえ。まず何が釣れるかわからない受け身のおもしろさ。さらに突き詰めると、いろいろ釣れる中でシャクリの幅と待ちの時間によって、魚を釣り分けられるという攻めのおもしろさもある。初心者も楽しめ、なおかつ深めれば奥行きもある。マダイやカンパチも釣れればよかったけど、とりあえず15種類は釣れたしね。まさに相模湾を堪能したな!」
と、ウエカツを微笑ませた相模湾。確かに漁場として豊かな海だ。しかし、この海を、より沢山の人に楽しんでもらいたいと願い、いつ、どこに行けば、どんな魚が、どうすれば釣れるのかをピンポイントで日々研究し続けている漁師たちの努力があってこそ、このような釣りは成り立っているのである。時代の変化に合わせて、単に魚を獲る漁業だけでなく、限りある資源をさまざまに活用する道が開けつつある。