天ぷらとご飯と味噌汁で、食の恵みを満喫すると、船はイカリを揚げ、アクアラインの架橋のふもとまでやってきた。
ここで今日2つ目の対象魚……いや魚ではないのだがイイダコを狙うのだ。
テンビン仕掛けをイイダコテンヤに付け替えて海中へと落す。
海底でテンヤが踊るように竿で小突き、そして止める。しばらくしてゆっくりと竿を持ち上げると、そこには小さなイイダコが。というのが本来のイイダコ釣りの筋書きではあるのだが……。
「ここんとこ、イイダコは調子悪いんだよ」と船長がいう。
もともとタコ類は真水に弱いといわれ、雨の多い都市では不漁となることが多い。今回の釣行の寸前は台風が日本列島を直撃したし、その前もズ〜ッと時化続きだった。川からは大量の真水が東京湾に流れ込んだろうし、それでは調子が悪いのもしょうがない。1時間ほど悪戦苦闘し、船中で上がったイイダコは、淋しいかなわずか九杯。
それでも竿を持つウエカツは、東京湾というこの大自然の道場を体全体で味わえる今日という日に感謝しているかのような満足気な表情である。
「あいかわらずというか、これはもう、もちろんのことで、この東京湾は健在だし、釣って楽しく、食って美味しく、本当にいつもと変わらぬ、素晴らしい秋の一日であったなァ〜」
水平線の向こうにウエカツが見ているのは、東京湾の明日の姿か? はたまた今日の夕飯か。ハゼのアタリはとぎれることなく続いたが、今回渋かったのがイイダコ。こうやってテンヤに抱きついてくれればいいのだが
『Aーブリッツ モバイル』と『早船V』。どちらの竿でもハゼ、イイダコの両種の釣りを快適に行なえるが、敢えてどちらがどの対象魚に向くか?ということで『Aーブリッツ モバイル』はハゼ用、『早船V』はイイダコ用ということにした。
イイダコは伝統的なイイダコテンヤを使うが、最近はスッテを使うスッテ釣法も人気だ。
快適に、そしてアクティブに釣りを楽しむには、タックル(釣具)はもちろんですが、最も重要なのが釣りに適したウェアなどの装備です。好天に恵まれても、波しぶきや寒風を防ぎ魚を取り込む時にも濡れる心配もなく汚れることも気にならない、そんな装備は、ゴアテックスに代表される透湿防水素材のレインスーツがオススメです。
釣場では安価なビニール合羽を着用されている方を見かけますが、どんなに寒い中でも人間は発汗作用があって、知らず知らずアウターの中は湿度を増し、どんどん身体は冷えていくのです。近頃、機能性に富んだアンダーウェア(下着)が人気ですが、アウター(レインスーツ)に機能がなければ水分は外部に放出されず、不快さだけが増すばかり。
トレッキングやウォーキングと同じく、フィッシングもアウトドアスポーツ。ウェアばかりでなく、足元にも気を配り防水性の高いフットウェアも非常に重要。
釣りは一年を通して楽しめますが、季節に応じたウェアなど装備があってこそ、魚とのやり取りだけに集中できるのです。
ビギナーから名人までに愛される総船数20隻で豊富な釣りものと実績を誇る名船宿。船宿では屈指のホスピタリティーの高さも評判である
千葉県浦安市猫実5-7-10 TEL 047-351-2544
【火曜日定休】 天ぷら船は、平日10人、土・日・祝は15人からの仕立てで一人10,000円。船代、釣りエサ代、天ぷら(エビ・アナゴ・シロギス・メゴチなど) 、ご飯、みそ汁なども込み。500円追加で屋形船での天ぷら船も可能