美味極楽メインページthe chef and the sea > Vol.17「晩夏のタチウオ釣り」編|東京湾のタチウオ
数が狙える可能性も! 東京湾のタチウオ
the chef and the sea
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魚群をとらえてキャスティングする。良好なポイントには船が集まり、海の上も活況だ
摩訶不思議な生態と習性
神秘の魚を捕らえよ
 朝7時前、横浜市金沢八景はギラつく太陽のもとで早くも信じられない暑さになっていた。対岸に見えるのは、八景島シーパラダイスの巨大なジェットコースター。こんな夏日には、海風を切って疾走するコースターはさぞかし気持ちがいいだろう。でも、我々が乗り込むのは釣り船「太田屋」。日焼け止めバッチリ。クーラーボックスには氷とドリンクを詰め込んだ。タチウオを狙う仕掛けとタックルも万全だし(これはダイワさんにおんぶに抱っこだけれど)、地獄の暑さもなんのその。ここが俺のシーパラダイスだ!
 ……と、シェフの心の声を代弁しておこう。出船して15分ほど。心地よい海風を浴びながら極楽の居眠りを楽しんでいると、日本最初の洋式灯台として知られる観音崎の近くまで来ている。早速、タチウオ釣りの開始だ。
 タチウオは太刀魚の字のとおり、まるで刀のような姿。沿岸部に群れで生息し、小魚やイカ、甲殻類を捕食する。立ち泳ぎが基本姿勢で、上昇しながらエサを追うため、釣りは群の中に仕掛けを落とし、巻き上げながらいかに喰いつきを誘うかがポイントになる。
 船長から「群れは水深40mから35m。海底までが45mだから一度底まで落として、上げていってみて」といった具合に指示が出る。シェフに意気込みを聞いてみた。
――タチウオ釣り、初めてですよね、今日はいけそうですか?
「今時分、ここらのタチウオは小ぶりの70cmクラスが多いらしい。でも、数が狙える可能性もあるんだって。いつもヤル気のない編集U氏は、ちょっとやったら船室で眠りたいとかまたふざけたこと言ってたよ。今日こそは負けたくない」
 なんてことを話していたら、逆の舷が騒がしい。これは嫌な予感だ。振り返ると、陽光に煌めくタチウオを「釣れちゃった」と見せるU氏。「おいー! またお前かよっ」とシェフの恨めしそうな声、そして周囲の笑い声が響く。
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今回の仕掛け&タックル
竿は高感度と高操作性を兼ね備えたタチウオ専用設計の「ブラスト BJ66XHB」。リールはベイジギングで求められる要素をクリアした「ソルティガ BJ100SH」を使用。ジグには「鏡牙 ベーシック」120〜160gをセレクト。
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今回の取材協力船宿「太田屋」
タチウオのほか、ライトタックルを使ったアジやマダイなど東京湾らしい釣りを楽しませてくれる。また釣りだけでなく、屋形船も有しており、八景沖の四季を海上から楽しむこともできる

住所:神奈川県横浜市金沢区乙舳町13-10
TEL:045-782-4657
HP:http://www.otaya.net
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