カツオが掛かって竿が大きくしなる。揺れる船上で踏ん張りながら糸を巻いていく。焦らず、でも大胆に、が肝要
素人揃いの食楽釣り取材班が、こんなに大きなタモを使う日が来るとは思わなかった
釣り談義に花が咲く。「釣ろうと熱くなっちゃいけねえよ」(船長)
三浦半島の突端、松輪からの出港の朝、大型の台風が関東をまっしぐらに目指して近づいてきていた。ところが、その進行速度はママチャリくらいという異例の遅さだったため、なんとか午前中なら釣りはできそうだと判断された。
当然、波は高く、うねりもある。船の揺れは予想されるが、他の出船が極端に少ないから魚群を追いかけやすく、逆にチャンスの状況でもあるという。
鉛色の空に荒れる海、ごっつい電動リール、どでかいタモ。連載始まって以来の男っぽい釣りに、不安とワクワク感が交錯する。船を15分ほど走らせたところでキャスティングがスタートした。
カツオは群れで行動し、イワシの大群を囲い込んで襲う。常に移動する魚群を見つけ、船が魚群の上にいる間にいかに手早く釣り上げられるかがポイントだ。この日のエサはオキアミ。ビシにオキアミを詰め、1本針にもオキアミを付ける。それを船長が指示する水深に落とし、少ししゃくって(竿をあおって)ビシからオキアミを放出し、アタリを待つ。
船を移動させながらトライするが、誰にもアタリがなく、ちょっと不穏なムード。シーソーの上に立って、揺れに合わせてひたすら踏ん張るような時間が続く。そこで、船長は思い切って小田原沖まで移動することに決めた。全速力でも1時間以上かかるが、仲間の船の情報によると、そこにはカツオが来ているらしい。もうこうなったら、どこまでも行きますよ。
竿は巨魚と真っ向勝負を挑むために生まれた「ゴウイン ブル HHH190」。
リールは20kgクラスのキハダなどを対象とし、安心のパワーとトルクを持った「タナコン1000」。パワフルに走る魚を正確に仕留めるコンビで臨んだ。
マグロやカツオといった大物から、鯛やイサキなどの釣りまで。相模灘での多彩な釣りを楽しませてくれる。これからの時期はイナダ、ワラサ、真鯛などが対象に。
住所:神奈川県三浦市南下浦町松輪289-1
TEL:046-886-1719