ポイントを探して移動中の船上でリラックス。波が穏やかな日は、ほどよい揺れに身を任せ、大海原を眺めているだけで気持ちいい
ヒラメのエサ釣りは好調。各自のバケツが、イワシとサバでいっぱいになっていった
船長によるヒラメ釣りのレクチャーを熱心に聞く取材班。釣る気満々
5月下旬、一片の雲もない快晴の日の朝、有馬シェフは湘南の平塚港にいた。波はなく、時折さわやかな風が通り過ぎる最高の釣り日和だ。
「この季節、海の上が暑いのか寒いのかわかんないからさ、釣具屋に行ってこの長袖シャツ買ってきた。今日のコンディションにビッタリだな。ほら、帽子も新調したんだよ。どっちも、もちろんダイワ製。お世話になっています!」
とシェフは帽子を取ってペコリ。今日も気合が入っている。
港を出た船は10分ほどでスピードを緩めた。海は穏やかで、日本の伝統色で言えば「花色」にあたるのだろうか、力強い青色が目にやさしい。海の向こうには、平塚市と大磯町にまたがる丘陵、湘南平が美しい緑のシルエットを見せている。ここに舟遊びに来られただけでも幸せだ。
いざ、ヒラメ釣り開始。と思いきや、渡されたのは、小型の青魚を釣るためのサビキという仕掛けだ。オキアミに似せたビニールと小さな針がたくさん付いている仕掛けで、大きな群れで動く青魚を一度に複数釣り上げるためのものだ。まずは、ヒラメ釣りのためのエサとなるイワシを釣るのだという。サバの切り身などをエサにするのも手だが、生きている小さな片口イワシが、ヒラメを誘い出すには最適らしい。
「おもしろい! この海でヒラメが実際に食べている魚を手に入れて、それでヒラメを狙うという2段階の釣りというわけだね。その場所の自然に逆らわず、とけ込んでヒラメ勝負するって感じでカッコいい」
連載が始まって間もない、渓流でのオイカワ釣りを思い出す。エサとなるカワムシを探して、嬉々としながら川の中の石をひっくり返すシェフの姿を。単に効率よく釣果を上げたい訳ではない。同じ「釣れた」でも、シェフはより達成感のある「釣れた」を楽しみたいのだ。
竿は船釣りにおいてマルチな活躍ぶりをみせる「ライトゲームXV H-180」。リールにはダイワの手巻きリールのフラッグシップである「ミリオネア バサラ 200H」を。ラインは「UVF 棚センサー ブライト+Si」、錘は50号を使用した。
富士山を望みながらの釣りを楽しませてくれる船宿。これからの季節はイナダやマグロ、カツオ、秋にはアマダイやアオリイカなどを狙う。乗り合いは一人8,300円〜。
神奈川県平塚市千石海岸57-17
TEL:0463-21-1012
HP:
http://www.gyo.ne.jp/shou3