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> the chef and the sea
オイカワがどんな味か知っている人は少ない。釣れても小さくて調理が面倒だから逃がしちゃう人が多いし、流通もしていないし。もし素材としてイマイチでも、美味しく食べる方法を探したい。釣って食べる。それこそが釣りの原点だと思うから。
エサは川の中の生き物を捕まえて現地調達することにした。流れのある場所の石をひっくり返し、裏側をさらうと、さまざまな水生の幼虫を採取できる。長野県では食用にされるザザムシとして知られる、通称クロカワムシやヒラカゲロウの幼虫であるチョロムシなどを捕まえた。
シェフはオイカワやウグイ、カワムツを使ってエスカベーチェとフリテッレの2品を作り上げた。日本風に言うなら、「南蛮漬け」と「おやき」だ。 「身が柔らかい、皮の下に特有の匂いがあるという弱点も素揚げして香ばしくして使うエスカベーチェなら問題なし。
ありま・くにあき◎「パッソ・ア・パッソ」オーナーシェフ。1972年大阪府生まれ。イタリア料理店で修業後、ロンバルディア、トスカーナ、ピエモンテなどで約3年修業を積む。2002年に同店オープン。
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