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> 魚の国ニッポンを釣る!
卵、稚魚、そして成魚という全ての段階で、海中の様々な生物にエサとして食べられているカタクチイワシ。すべての段階で、海の中のあらゆる動物に食べられている。すなわち、あらゆる動物の生命の糧となっている。これはいわば海の米≠ナある。
なにしろ成魚だけに限らず、シラスや煮干しとして全ての段階でも捕っている。それにも関わらず、イワシは毎年確実に涌いてくれる。毎年必ず我々が安全に食べることができる。
まさしく、イワシは全生物にとって天の恩恵なのかもしれない。
ハリから外した一匹のカタクチイワシは、ガラスの断面のような、輝くウロコを水に散らした。手に持って頭をちぎり、腹ワタを出したら手びらきで刺し身にする。ところが、釣りたては身が固く締まり、手で開けるものじゃない。諦めて骨ごと丸かじり、これが旨い。
マイワシに比べ下アゴが短いことからこの名が。シコイワシやセグロイワシなど全国で様々な別名があることからも、日本中で愛されてきた魚だとわかる。
上田勝彦
うえだかつひこ
1964年、島根県出雲市生まれ。長崎大学水産学部在学中より、長崎県野母崎の漁船に乗り始め、各地を行脚する。平成3年に水産庁入庁。南氷洋の調査捕鯨や太平洋のマグロ漁場開発、日本海の資源復興プロジェクトなどを経て、平成21年より、増殖推進部研究指導課・情報技術企画官。著書に『目からウロコの魚料理』(東京書籍刊)がある。
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