連載 ニッポン釣魚紀行 料理人、海へ。
VOL.11
料理人 「ラ・リベラ」 シェフ 宮崎 勝仁氏×ライトウィリー
どこにも売っていない最高の食材、最高に活きのいい魚を求め、最高に活きのいい料理人が海に行く! 今回は代々木『ラ・リベラ』のオーナーシェフ・宮崎勝仁が平塚沖へと出港した!!
みやざき・かつみ◎徳島県出身。料理学校卒業後、『リストランテ・ポンテベッキオ』を経てイタリアへ。トリノやバローロ、ミラノなどの数々の星付きレストランで修業。仕上げにイタリア全土を食べ歩いてから帰国。『トラットリア・アルコバレーノ』『リストランテ・ヴィオレッタ』の料理長を経験し、2009年に自らの店『ラ・リベラ』を代々木に開き、昨年には恵比寿に2号店となるバール『オステリア・ラ・リベラ』をオープンさせている。

撮影 ◎村岡栄治
取材・文 ◎佐藤克之 撮影協力◎グローブライド(株)
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大人気の釣りは、奇跡さえ起こしてしまう
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クロダイ、サバ、アマダイ…
上がクロダイ。下右からイワシ、ユメカサゴ、ヒメコダイ、アマダイ、ショウサイフグ、サバ、トラギス、シロギス(注・フグは専門家が調理したもの以外食べられません)
 平塚の港から、一路ポイントへと向かう庄三郎丸17号船。
 料理人・宮崎勝仁は、その甲板でタックルの準備をしながら、今日初めて袖を通した釣り用ウインタースーツの温かさに驚いていた。
「寒いのが苦手なんです」。確かに今年の冬の寒さは例年にない厳しさだ。ましてや風を遮るものなどなにもない船の上。
「体の底から凍えるんじゃないかと本当に心配してたんですけど、これを着たら、まったく寒くないんですよ。ビックリしました!!」。釣り具同様、釣りウェアも、その性能は日々進化している。
「これで釣りにのめり込めます」。そんな宮崎に今日のめり込んでもらう釣りが、ライトウィリー。
 ライトな(軽い)コマセカゴの下に、ウィリーという化学繊維でできた疑似バリをつける釣り方で、手軽さと釣果の良さ、釣れる魚種の多彩さで、ここ数年大人気となっている。
 しかしこの釣り、間口は広いが奥も深く、その時季に釣れる魚によって、竿をシャクるストロークの長さ、インターバルの時間など、千差万別の工夫も必要となる。
 そして今回、その工夫が驚くようなドラマを生むことになる!
 平塚沖・水深20m。アジの狙えるポイントに船がつく。
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