アジ
味がいいから“アジ”と呼ばれるようになった、ポピュラーだが食味に秀でた魚。夏が旬の、まさしく今が一番味のいい魚!!
入港船舶数日本一を誇る港・横浜港。その横浜港の山下埠頭と本牧埠頭に挟まれた場所に、老舗の船宿が軒を連ねる一角がある。
新山下の船宿街だ。
朝7時。『ブリッコラ』シェフ北村征博、そしてソムリエでもあるマネージャーの原品真一を乗せた渡辺釣船店の第七神功丸は、新山下の船着場を離れた。
狙うはアジ。魚種としてはどこのスーパーでも見かけぬ日のない大衆魚ではある。しかし東京湾で釣り上げられるアジは、『黄金アジ』と呼ばれる超一級の食味を持つブランド魚なのだ。
そしてそのブランド魚の釣れるポイントとは……。
「エ、こんなに近いんだ!!」。北村が驚きの声をあげたのも無理はない。そこはベイブッッジがよく見える、横浜港の防波堤を出てわずか5分たらずの海域であった。
大都会のすぐ近くに、こんな豊穣の海のあることを、我々日本人は自慢してもいいのかもしれない。
今日のタックルを握った北村が、さらに驚いた。
「軽いですねェ〜」。ロッドは『フィルダーアママル』、そしてリールに『NEWスマック』!
伝統的なアジ釣りは、ゴツイ竿に電動リールというヘビーな道具立てを必要とした。
だが今回のアジ釣りは、ここ数年圧倒的な人気を誇る“ライトタックル”と呼ばれる非常に軽い装備で臨む。
特に『NEWスマック』は、高強度・超軽量の『ザイオン』という新開発の素材を用いているため、その軽さ、驚愕の一言。
ポイントも近くてライト感覚ならタックルもライト。しかし釣れる魚は一級品という、いいとこ取りのフィッシングがスタートした。