連載 ニッポン釣魚紀行 料理人、海へ。
VOL.10
料理人 「カシーナ・カナミッラ」 シェフ 岩坪 滋氏×ワカサギ
料理人自ら食材を釣り上げ、調理するこの連載。
今回の料理人・岩坪滋は、海ではなく湖へとやってきた。
湖も海同様、街では買うことのできない最高の食材が眠っているのだ。
それが今回狙う、諏訪湖のワカサギだ!
いわつぼゆたか◎中目黒駅近く、目黒川を臨むイタリアンリストランテ『カシーナ・カナミッラ』シェフ。ピエモンテ州「フリポー」、ソレント半島「トッレ・デル・サラチーノ」など、2年半に渡ってイタリア各地で修業後、都内のリストランテのシェフを経て現職。子供のときから工作などのモノ作りが大好きで、大人になってからは、旨い物、酒という新たに好きなものが2つ加わり、3つの好きなものを統合させて、必然的に料理人となる。

撮影 ◎村岡栄治
取材・文 ◎佐藤克之 撮影協力◎グローブライド(株)
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驚きのタックル唖然の釣り船
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ワカサギ
湖に生息するイメージが強いが、もともとは湖や河川と海水域を往復する魚。江戸時代、将軍家に献上されたため“公魚”と書く
「これが釣り道具…!?」『カシーナ・カナミッラ』料理長・岩坪滋は、ワカサギ用のタックルを初めて見て、思わずつぶやいた。
『料理人、海へ』。今回のフィールドは海ではなく湖! 冬の淡水魚釣りでは圧倒的な人気の魚種・ワカサギを、メッカ諏訪湖で狙う。
 ワカサギ釣りに用いられる道具は、ここ数年で革命的な進歩を遂げた。その先駆けであり、今やスタンダートともなったのが、ダイワの開発したマウス型電動リール、その名もずばり『クリスティアワカサギ マウスリール』。
 見た目がパソコン用のマウスならば、その使用法もまさにマウス。内蔵された極小電動モーターを、クリックして操作するのだ。「これが釣り道具…!?」岩坪がそう思ったのも無理はない。
 通常の釣りと様相を異にするのは道具立てだけではない。諏訪湖の船宿『みなと』は、防寒の為に船自体がビニールハウスのようなドームで覆われた“ドーム船”の元祖。デッキに開いた穴から釣り糸を垂らす。ドーム船自体、一風変わっているのに、今回、取材のためにチャーターされた船は、ドームではなく民家をそのまま船に乗せたような一種の屋形船。
「これが釣り!?」誰もがそう思いかねない釣りがはじまった。